Keep On Movin'

ブン殴られても立ち上がるブログ

ゆうまーるBP Vol.50 後記

ゆうまーるBP。

 

それは代表のゆうまが創り上げた、「10年近くのキャリアで優勝を1度も出来ていないゆうまを優勝まで導こう」という目標の元で闘う有志たちを募った「MC BATTLE 練習会」。

 

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MCバトル練習会【ゆうまーるBP】第1回 ダイジェスト けーご vs 9for - YouTube

 

しかしその目標はすでに叶えられてる。

「大粒fight Vol.15」でグイグイ雰囲気を持って行き決勝に上がった145(ひよこ)を延長で倒し、念願の優勝を果たした。

 

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大粒FIGHT vol.15 決勝戦 ゆうま vs 145(ひよこ) - YouTube

 

「観てますか、MC正社員さん?あなた2日前に言いましたよね?優勝出来ないのは顔のせいだって!」

 

そこからもゆうまーるBPは継続、代表は回を重ねるごとに強くなる常連メンバーと闘い、メキメキと力を付け、現在では持ち合わせていたバイブスに、下ネタRAPを加えたスタイルでシーンを凌駕していっている。

 

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CECIA vs ゆうま/戦極×罵倒ROUND3 BESTBOUT(2017.7.22) - YouTube

 

「背負ってんだ ゆうまーるBP 200人のメンバー!」

 

ともかく、代表のゆうまなしでは3年という年月と50回という大台は達成していない。

 

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Takuya IDE vs ゆうま/戦極MCBATTLE 第18章 関東予選BESTBOUT(2018.6.30) - YouTube

 

「ダサさも貫きゃ味になる 俺がいないと皆が寂しがる」

 

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10/3(水)

"ゆうまーるBP 記念すべき 第50回 MC BATTLE"。

 

場所は、ゆうまーるBPのクラブ篇では殆ど使用している池袋knot。

 

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ゆうまーるBP vol. 22 MCバトル練習会 - YouTube

 

当日

 

オープンと同時にひしめく会場。

 

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もう50回なんだな…

 

そう思えた。

 

最初の頃からいた、途中からいた、というよりゆうまーるBPに来た事がある全ての人間に見せたい景色だった。

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バトルは正直、そんなにやりたくなかった。

 

だから2回あるMC BATTLEも3回戦負けと1回戦負け。全然構わない。それより成長した姿を見せたかったから、Liveがしたかった。

 

いいLive出来たのかよく分からない。でもいいコンディションだった。

 

自分語りするのは良くないな。

 

ゆうまーるBP Vol.50、楽しかったですか?

 

1回目のBATTLE覇者はSOTAROBEATS氏、

2回目のBATTLE覇者はLushang

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そして総合覇者はSOTAROBEATS氏!!

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(写真右)

 

ゆうまーるBP創世記から支えて来たRapper/BeatMaker。

滅多にBattleに出ないこの人が勝つ50回、だからゆうまーるBPっていうのは面白い。

 

Liveも外れとかなかったでしょ?

みんなガンガン頭振ったでしょ?

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この景色を観たかった。

みんなが最高にPartyしていた。

みんなが楽しい顔してはしゃいでいた。

 

俺は次の日から元のイヤ〜な部署での仕事に戻ります。本当に嫌なんだけど、しょうがないっす。早く辞めます。

 

それは置いといて、なんかバタバタしちゃってすいませんね。こんな大好きな場所、時間なんて経たずに永久にやっていたいんです本当は。

時間の流れってあっという間っすね。

本当はみんなと写真とか撮りたかったし話したかったんですけど、もうどうしようもできねえくらい楽しかった時間を共有出来ました。マジで最高なイベントだった。

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あ、CD渡すとか言って渡せなかった人たち本当にすいません。

手書きのCDなら手元に3枚あります。

欲しい方はツイッターまで。。。

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51回から問題

 

これ以上書くとずーっと「楽しい」って書いちゃうからやめよう。

あの場に来てくれた皆さまに感謝。

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さて、ゆうまさんからも話して頂いた、「ゆうまーるBP 51回目からどうするか問題」に関しまして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、条件があるんです。

ゆうまさんから頂いた俺への課題がある。。。それをクリアしないと次に進めません。。。

 

ちょっと多忙にはなるんですがすぐミッションコンプリートします!

 

最後になりますが、皆さま本当にありがとうございました。

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和とLushangは胸張って他の大会に送り出せるし、今日のうめda詩学はマジで酒浸りで強かったし、SHOICHIROはもう別に優勝優勝言ってなんも俺のアドバイスすら聞かないし、あひるとchagoはさすがの貫禄だったし、K-真さんとSchemeさんの試合は俺はしばらく分からない話で凄まじかったし、TUMAも久しぶりのknotのくせにイカしていたし、ONCELEEはDJタイムの時にずっとうるさかったし、来てくれたMIKADOとN0uTY達には感謝しかないし、SOTAROBEATSさんは絶対に久々のバトルなのにスゲえ上手いバトルで会場持ってっちゃうし(他の大会に一切興味がないからゆうまーるBPでしか会えないぞ!)、急にバトルに出る!って言って決勝まで行っちゃうikomaさんは格好良かったし、TBANGの彼女は可愛いし、弁天もスキルをメキメキ上げてるし、狂人さんは韻が踏めるようになったし、BATAIは絶対に終わった後に俺に感謝のLINEをくれるし、HERBEはサプライズで来やがってサプライズで花持ってきて全部カッコいい所を持ってくし、エッジはバトル中にブリッジする癖が治らないし、若い衆たちもガンガン自分なりに頑張ってる。

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来たかったのに来れなかったバツマルとshootとその他、そしてゆうまーるBPの全員。本当にありがとうな。

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俺にメッセージはいらないからゆうまさんに感謝の気持ちを贈ってあげてくれ。

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(※写真の一部はツイッターの方々からお借りしました)

 

あと、

arubino、九十九、ラーテル、pinokoさん、CAN-K THE CONVERSE富嶽、トクナガ…俺とゆうまさんはいつまでもお前らを待ってる。たまには顔だしてきてな。居場所は作っておくから。

 

これからも愛とペニスを込めて。

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ガッズィーラ vs 菩薩が見たい

 

やんちょーさんという人がいる。

 

初対面の人に死ぬほど話すその姿は自称するコミュニケーションおばけどころかコミュニケーションゴジラ。いや、ガッズィーラ(石原さとみ的発音で)。小さい頃オカンにあまりにうるさいから病気なんじゃないかと病院に叩き込まれた経験がある俺ですら参るほど本当にうるさい。

 

そんな中、俺の友達に逆コミュニケーションゴジラがいる。通称"コミュニケーション菩薩"。仮名として、カモメくんにする。

 

カモメくんは小中高の同級生で、ひょろひょろな身体をしていた。無口で、カモメくんから話しかける姿を見たことがない。しかしまぁ短気で、体型を揶揄して「ネギ〜!」って罵るとすぐ殴って来る。で、喧嘩をするとそのひょろひょろから繰り出される鞭のようなしなりを上げた拳が猛威を振るった。ボクシングやったら強いんじゃないかとは思った。疲れた顔も見せないし何なら喧嘩の時に少しだけはにかんでる。カモメくんはそういう奴だった。

 

お母さんは死ぬほどうるさい人で、カモメくんとは違って「うちの子はねぇ」なんてペラペラ話すから、周りの保護者は「本当にこの人から産まれたのかしら」「お父さんに似たのね」なんていう考えが全体に蔓延する、なんとも不思議な家だった。

 

カモメくんとは小中一緒だったのもあり、一緒の電車を使っていた。カモメくんが電車を待ってるのを見たら「カモメくんチャンス」が現れる。

「カモメくんチャンス」とは、ひたすら話題を途切れずにカモメくんに話しかけまくる時間の事で、会話が少し途切れた隙にカモメくんがやれやれという顔をしながらiPodを耳に装着したらゲームオーバーというやつだ。

 

カモメくんはまず話しかけられると「ほ?」って言う。誰に対してもそう。「え?」とか「はい?」とかじゃなく「ほ?」だ。俺のオカンにもそうだった。そっからカモメくんチャンスはスタートする。

車内でカモメくんの隣に陣取り、ひたすら今日あった事を矢継ぎ早に話す。カモメくんは「そう」「それ、おまえがわるい…」「おまえにいわれたくない…」こんな会話でも、大体カモメくんが人と話す事はないので、カモメくんを高校の時から知る人からしたら奇跡的な事をしてるのだ。

それでも、会話が途切れてしまう。やべ、と思ったのも束の間、カモメくんはこのチャンスを逃すまいとポケットに手を突っ込み、光の速さでイヤホンを耳に突っ込み、カモメくんが好きな東京事変の曲を再生する。

 

「…椎名林檎、好きなんだ?」

「…」

 

椎名林檎、好きなんだ?」はまだ会話が出来るかどうかの判断を促してるだけで、返答が来ないのは知ってる。

別れ際のカップルの彼女の「もう、終わりね…私達」と一緒だ。

 

答えはひとつ、終わりなのだ。

 

3年生の時は好きな女の子を待って電車に一緒に乗るミッションを遂行しようと躍起になっていたので、高校を卒業した後は成人式しか会えなかった。ただのストーカーは、高校時代にカモメくんチャンスと彼女ワンチャンという2つのチャンスを逃したのだ。

 

成人式終わりに升酒を片手に旧友と語り合う場が設けられたが、カモメくんは速攻で帰ったらしく、カモメくんを見た姿はそれで終わった。2次会にはもちろん姿を見せなかった。

 

だからカモメくんとやんちょーさんを会わせたらビックバンが起きるんじゃないか。なんて思いながら今から出かけようかな。

電車にカモメくんがいるかもしれないし。

 

 

 

 

 

 

 

3週連続MC BATTLEに出場してみた

「不可能とは、自らの力で世界を切り拓くことを放棄した臆病者の言葉だ。不可能とは、現状に甘んじるための言い訳に過ぎない。不可能とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。不可能とは、誰かに決めつけられることではない。不可能とは、通過点だ。不可能とは、可能性だ。不可能なんてありえない。」

ーーーモハメド・アリ(プロボクサー)

 

1,2年前にはMC BATTLEに死ぬほど出た。負けても負けても出て、そこで得た仲間も居る。

 

今年に入り、さすがにキツくなった。会社の異動が今年にあったにせよイヤになった。結論、飽きたのだ。今のシーンも自分も納得していない。

しかし、自分が副代表として在籍する"MC BATTLE練習会"「ゆうまーるBP」代表であり師匠のゆうま氏は30才になったにも関わらず、いまだにMC BATTLEのステージに立ち続けている。同時に30才で下ネタスキルがメキメキ上がってるのだ。怒られそうだけど、スキルがあるただのアホなのだ。だから付いて行ってるのもあるのだけども。

なので、夏休みだしせっかくだから昔を思い出しながら出ようかなと思い、3週連続でMC BATTLEに出た。昔は誰も興味無いのも知らずにただひたすらバトルの結果を書いていたが、それを見てくれていた人もいた。さて、どうなるでしょうか?

下に結果と感想を書きます。

 

8/10(金)

ガラフェス うえの夏まつり杯争奪野外MCバトル」

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1回戦 bunTes

2回戦 ×  ゆうま

 

もうゆうま氏とはやりたくない。ゆうまーるBPでずーっと闘ってきて何でやらなきゃいけないのか…となるが、外部の大会で当たったのはこれで3回目。お互いバチバチにやったあの想い出は今や何処かへ消え、お互いに命を削り合ってグレードアップした火花の散らしあい。いつまでも俺のアホだけど愚直で芯の通った師匠。いつか本当の意味で越える日まで切磋琢磨しないと。

bunTes君は言わずもがな上手かったし、アレはただ観客が"知らない"だけだったのが功を奏した。場所が違えば延長か負けだったと思う。だが、それでも勝てたのは、自分のラップに彼と同じように嘘をつかなかったからだ。彼と初めて話したが、普通に謙虚な、いい方だった。彼の音源を是非チェックして頂きたい。

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Buzz Brats 「052-332-1071」(Music Video) [Original Track : Basekilla] - YouTube

 

《番外編》

8/15(水)

「新橋サイファー 1on1」

 

1回戦      ○ SHOICHIRO(延長)

準々決勝 PBC

準決勝    ○ Kan坊

決勝         × MCバツマル(延長)

 

毎週水曜に開催する新橋サイファーに遊びに行き、通常回の1on1に初めて出た。(新橋サイファーのバトルだけをやる新橋SL杯は出場経験があるけど)金曜にある睡蓮MC BATTLEに備えたかったのがある、って言うのは建前で、ただSHOICHIROとやりたかっただけだ。SHOICHIROがずっと女がいねぇだの言ったのは打破。舐められちゃ困る。てかそれしか攻撃しないのは一体何なんだ。しかし何十回もやってはじめての延長は、彼の成長を表してる。俺もまだまだ。

PBCはohagi、ていうか"お萩"名義から知ってる。彼も俺に着実に攻めていたが、彼の昔の方が好きだと言って勝った。会う度に髪型が変わるが、根と顔が良いやつだ。当たりたくはなかった。

kan坊さんは密かに当たりたかった相手だ。師匠のゆうまさんを彷彿とさせる?下ネタスタイルが気に食わなかったから突いて勝ったが、全然知らなかったそうだから驚いた。とりあえずバトル後に師匠の動画を沢山見せた。This is 下ネタはゆうまさんにしか名乗らせない。

MCバツマルはタメでいなしたMCだ。岸和田とゆうまーるBPを背負う愛すべき馬鹿。ここに書くとスゲェ長くなるからあの現場にいた人だけが俺たちの関係を知ってほしい。あれだけ舐められたゆうまーるBP勢が決勝にいる事が素晴らしい。楽しすぎた。

みんなでぶち上がって行くためにまたやろう。

 

8/17(金)

「睡蓮MC BATTLE」

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1回戦 × Puzz

 

しょっぱい試合したなーって言うのが感想です。普通に相手も上手かったし。雄猿さんの「ヌードルブルース」が聴けて良かったです。

ちなみにこの後は普通にある人に呼ばれ、色んな人とバトルで闘いました。4勝3敗くらいかな?よく覚えてない。

 

8/24(金)

「リーマンライムナイト Vol.2」

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1回戦 ○ 徳川秀徳

お題:夏ボーナス

2回戦 × モエシャンドン

お題:ストックオプション

 

MC妖怪にやられた前回とはうって変わり、今回は「お題MC BATTLE」で闘う事に。

最初は徳川さん。実は企業競合MCバトルという同業種のMCを闘わせるというBRTの主催の闘いでやってベストバウトを繰り広げた方。

ギリギリ勝ちました。やっぱつえー!と思う、あの人。ディレクター就任?おめでとうございます!

2回戦。相手はDJもMCもやるAGOさんの部下?の人。お題がストックオプション

いやストックオプションって何やねんのままスタートし、気付けば負けてたけど、ストックオプションって本当に何やねん。と調べると「自社株」どうこう訳の分からない事をGoogle先生に言われた。ウチは自社株なんてない。

 

という怒涛の連戦。しばらくはゆうまーる以外ではやりたくない。

 

〈ここでお知らせ!〉

 

実は来月辺りに1st EPを出す準備をしています。ジャケットも友人に頼み、厳ついのが出来上がっています。あとは1曲書き上げてRECしてない4曲をREC、CD作業云々…忙しいな…

とりあえず出来たら買ってください。interludeを加えた6曲入りEPを500円で売る予定です。よろしくお願いします。

 

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「カメラを止めるな!」について

今、話題の映画を観てきました。

 

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カメラを止めるな!」です。

 

ネタバレはしないつもりですが、下の方にちょいあらすじだけなぞらえていますので、観る方はご理解を。

 

ENBUゼミナールの"シネマプロジェクト"にて製作された映画。単館上映で恐らく1~2ヶ月程度の上映期間でやるものだと思う。(詳しい事は分からない)

しかし、2017年11月に先行公開した後、国内及び海外の映画賞を数々受賞し、2018年6月に日本国内で凱旋上映を行い(wikipediaからの引用)これが大ヒット。

現在上映館8館で3万人の動員を成して8月3日からは大手シネコン・TOHOシネマズにて上映もされるという怪物的拡大。

 

6月23日の公開直後からSNSでの熱い感想がどんどん広がり、上映劇場では満席が続出。立ち見で対応する劇場もあった。Twitterでは「チケットが全然取れない」という悲鳴が相次いでいる。(Huffpostからの引用)

 

映画レビューサイト・Filmarks(フィルマークス)が発表した「6月第4週公開映画の初日満足度ランキング」では第1位(平均スコア4.40点/5点満点、レビュー数70件)を記録した。また、同サイトの「2018年上半期 映画ランキング」では、レビュー数が500件以上1万件未満の作品を対象とした満足度ランキング第1位(平均スコア4.40点/5点満点)を記録した。

映画レビューサイト・cocoでは、2018年7月24日時点においてcoco映画レビュアー満足度100%を記録していた。(wikipediaからの引用)

 

 

 

というわけで、観に行こう

 

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池袋シネマ・ロサ。こんな所で出すのは大迷惑であろうが、松江哲明監督「童貞。をプロデュース」のオールナイト上映での出演者逆襲事件場所。アレは背景を追うと、追うべきストーリーが違かったんだなと非常に考えさせられるものがあるが…はっ、違うことをつらつらと。詳しく知りたい方は

ものすごいものを観た。 - SUPERBAD-ASS

こちらが良いかな?とりあえず、話を戻しましょ。

 

18:00の回だったので、15時頃に買いに行きました。前に「ヒミズ」を観に言った時余裕ぶっこいて2時間前に席を取りに行った際に歯抜けにしか空いてなかった悲劇がありその教訓を生かしての早い時間入りにした。しかし、話題作と言えども早すぎたかなと思ったけど、むしろ少し遅めだったみたい。とりあえず今回一緒に鑑賞する友人2人の分も含め3席確保。危なかった。

18時頃に着いた頃には20:15の回は売り切れていて、人気の過熱さが浮き彫りになっていた。

 

鑑賞後

 

なるほど、すごい。

 

ネタバレを避けようとするのが難しいが、1つ言えるのは、伏線回収のやり方がエゲツない。兎に角丁寧に回収しちゃうスタイルで、ん?と思った所も最後まで観たら、あー!となる。というよりなぜここまでネタバレが増えないかという理由は、映画の作り方自体が既に言うだけでネタバレになるスタイル。あらすじを簡単に言えば、「売れない映像監督が30分ワンカット•ゾンビ物•生中継の番組の監督を頼まれ、それを監督した際の顔合わせから現場までの何やかんやあった、その一部始終」である。予告編など何の情報も入れずに観る方が良いと思われる。最初は観て少しの人間は思うだろう、アレ、ちょっと騙されたかも?何だ、もう…という雰囲気になる。少なくとも捻くれた俺はそう思った。そういう人らはハードルを上げていった人間はハードルを下げる。そうすると、展開の妙、創意工夫の巧みさに徐々に圧倒され、気付けば上げていたハードルの高さの2倍の高さで面白さがエアレースのように駆け抜ける。

群像劇になっているようでなってはいない。しかし誰かに焦点を当てた映画ではない。そして誰かに感情移入するような映画でもない。なのに、何故こんなにも笑えるのか。等身大の人間の無様で、滑稽で、でも今を生きる、いやそんな壮大じゃないが、もうとにかくやったれ、やったれ、そんな人間の姿にあっという間に魅了される。気付けば館内は爆笑に包まれていた。あの中の、満員の席の、顔も誰1人とて知らないが、上映時間だけ一緒にいたあの人達全員だけがジャングルクルーズさながらの出来事の目撃者、つまりは映画がアトラクションに成り得るその素晴らしさが見事にハマった。

人生は滑稽の連続で成り立つ。友情、喧嘩、恋愛、色恋沙汰、全部人間にしか出来ない、側から見れば笑う人間もいるその滑稽さのほんのほんの一部を切り取った、ただそれだけを描いた作品。難しい事は考えず観て、1番感じるべきは、作品の役者と自分自身との投影だ。

カメラを止めるな!」は、笑われたとしてもいい、とにかくお前の人生の歩みを止めるな。実際問題そんな堅苦しい映画じゃないが、自分が得たのはそういう映画だったと思う。本当に1回で良いから、頭を空っぽにして観て欲しい。本来の映画のあるべき姿がそこにはあると、自分は思った。

 

是非。

 

公式サイト http://kametome.net/index.html

劇場一覧 http://kametome.net/theater.html

 

嫌悪

青春は短い。宝石の如くにしてそれを惜しめ。
ーーーー倉田百三

 

高校時代は"青春"というものが、避けない限りはどうしても生まれる。俺でさえあった。ただ、楽しいというだけで青春という二文字は勿体無くて使いたくもない。

 

俺にとって、高校は大嫌いだった。思い出したくもない。

 

子供の喧嘩に親が出る。寝たら金縛りに合う。部活の生産性のないメニュー。イケてるグループのメンバーに念願の"連れション"(仲間である証みたいなもの。我が高校だけなのか知らないけど)に呼ばれたと思ったら当時は存在しなかった"壁ドン"をされやってもない罪を被せられる。

 

そんな俺に、青春を味わせないようにしていたのが、同級生のK君だ。

 

K君は、猿みたいな見た目をしてた。少しヒョロッとしていて、ずっとニヤニヤして、気に入らない奴はお猿さんよろしくウキウキ言って危害を与えてた。

しかしそれは第二形態での話で、第一形態の時は仲が良く、俺がいるからと、同じ部活に入っていた。

 

第二形態へ進化するには、K君の「仲いいよな、俺ら」みたいな、小学生レベルの青春ごっこ a.k.a. ダル絡みを拒否すると化ける。

今までの仲の良さが嘘のように、俺に対してギャアギャア騒ぎ、突然蹴ってきたり殴ってきたりしてきた。一緒だった部活も俺と喧嘩別れし、退部した事でさらにエスカレートした。

 

ある日席替えをした際に、俺が1番前になり、K君が後ろの席になった。先生から紙を配られ後ろに回すと急にバッと取り、机から身を乗り出し、「ウキィイイィ!!」という顔をして、いや、多分言ってた。そして、困惑した俺の顔を見て、またニヤニヤする。

あまりにも低レベルなので学級委員長に相談し、目が悪い女の子と席を交換してもらった。これで歪み合いも無くなり、スッキリする。と思った。

実際、何も無くなり、平和な日常を送っていた。そんなある日の放課後、K君が俺の元に来た。

 

「おぉぉ〜いw」

 

相手にもしたくないので無視をした。そうしたら、俺に言った言葉は、

 

「俺がぁ、近くにいた時とは違ってぇ、楽しそうだなぁ〜???」

 

だった。今でも覚えてる。そして何故か机を蹴ってきたのだ。

そう。そういう奴がいるんだ、っていう驚きだ。理解不能の世界に連れていかれそうになった。人は嫌いな奴は関わらないようにしたいのがルールだと思っていた。

本当のサイコパスは、嫌いな奴をそばに置き、自分の優位さを感じたいのだ。そういう思考力はあいにく持ち合わせていなかった。

 

卒業の際にK君は、トイレに行くために机に置いてあった俺の卒業アルバムのメッセージ欄に

 

 

 

ニート道 K」

 

 

 

と勝手に書いていた。

俺を馬鹿にするために頑張って書いたのだろう。今でも別に消したり隠したりもせずにそのままある。

 

 

 

 

 

そして俺は現役で大学に行きそのまま現役で会社に受かった。一方でKは、7浪を経験し、今年、やっと大学に入学した。

 

 

 

 

7浪である。思い切り"ニート道"だ。

 

 

言葉と災いは返ってくる。本当に。皆んなも気をつけた方がいい。

 

 

 

 

さて、そんな不憫な俺にも、こんな事があった。

 

部活で、同期に唯一の女子がいた。顔も正直に言えばそんなに良くないし、部活で活躍もしない。でも同期だし頑張っていこうぜ、なんて感じで優しく接した。

 

ある日、その子のクラスの女友達に呼ばれた。

しかも3人組からで、場所は廊下だ。

 

その女友達は顔も知ってるし話したこともあって、廊下ですれ違えば挨拶もする。そんな程度だからこそ、呼ばれるって何事だ?と思った。

 

「ちょっと聞きたいんだけどさ」

 

口を開いた3人組のリーダー格のAは怒ってるというより、言いづらそうだった。いつも「イイ波乗ってんねェ〜」みたいな事を年がら年中言ってるようなキャラのくせに、この日に限って歯切れが悪い。

 

「あの子の事、どう思ってる?」

 

"あの子"は、部活の子だ。あまりに何も思ってなかった単語が急に頭に詰め込まれる。混乱した。何が正解かも分からない。

 

「…同じ部活をしてる、普通の子としか」

 

そうとしか思えなかったから、そう答えるしかなかった。

すると、突如、何者かに俺らがいた廊下近くのトイレから姿を現し、俺の背中をバンって1発殴ってきた。

 

不意打ちだったので、誰が痛みを与えた?とその加害者とも言うべき子を見た。

 

 

 

 

目に涙を浮かべた、部活の子だった。

 

 

 

 

 

 

 

後日、その子は転校した。

その子と会ったのはその日で最後だった。

 

 

 

 

女子というものに恐怖心を抱いたのは、あれ以来からだ。

 

青春に後悔は付き物だ。だからこそ、泣かせてしまったあの子とは、むしろ、もう一回だけ、会いたい。

 

そんな事をぼけっと懐かしんでいたら、分かりやすく仕事をミスったので、

嫌いな奴の話と一緒に書いた。多分まだ嫌いなんだろう、俺のこと。

 

2人とも。

 

 

 

 

 

 

 

 

高校は大嫌いだった。思い出したくもない。

 

 

 

 

 

 

 

たったさっきから俺が結婚するまでの話

泣くことも一種の快楽である

「随想録」より
ーーーーミシェル・ド・モンテーニュ

 

幼馴染の結婚式があった。

 

幼馴染、新郎、本日はおめでとうございます - Keep On Movin'

 

これを書いたらちょっとだけバズった(身の回りの人だけ)。そうすると、どうだったのかを聞きたくなるのも人間の性だ、という建前と、またバズるかも?という浅ましきエゴの本音が自分の頭の中で渦巻くも、とりあえずレポ的な物を書いておく。

一生に一度、と酒を呑まず迷惑を掛けぬように動いた結果、このブログが書けて後世まで忘れないだなんて、酒が弱いように産んだオカンに感謝しなくてはならない。

 

有楽町線の電車に揺られて、音楽を聴いていた。有楽町線は新木場方面まで行く時にたまにお世話になる。

YouTubeで、一つの動画が目に留まった。

チャットモンチーだ。

 

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チャットモンチー 『たったさっきから3000年までの話』 - YouTube

 

チャットモンチーは、以前にブログで書いた通り、今年中の解散が決定している。

ラストアルバムの中の一曲がMVに出ていたので拝見した。

 

結論から言わせてもらえば、泣きそうになった。

 

 

"嘘だろ?"

 

 

そう読者からの疑念が透けて見える。そりゃそうだ。最初に"レポ的なものを書く"と断言しときながらまだ着いてもない移動手段の電車にて幼馴染より付き合いが薄いチャットモンチーのMVですでに泣きそうになっている男がここにいるのだから。

 

そんな人達へ。

 

うるさい。

黙って聞きなさい。

 

チャットモンチーのラストアルバムで「たったさっきから3000年までの話」という曲名だ。MVを観ても分かるが、そういった曲だ。

 

あなたがかなりおじいさんになる頃

どんな日本なんでしょう?

ドラえもんのお気に入りの道具が

ダイソーに並んでたりするんでしょうか?

相も変わらず地震大国で

北朝鮮とアメリカの狭間で

揺れてるでしょうか?

あなたは座り慣れた椅子で

そんなニュースを見てる

だけど眠る前にはふと笑えるような

思い出に囲まれているでしょうか?

 

最初っからVo.橋本は俺、もといはチャットモンチーファンの涙腺のバリアを叩き壊す為にエンジン全開だ。こんなんLiveでやられた日には、終了後にチャットモンチーファンと涙を流しながら肩を組んで居酒屋で日本酒を徳利で呑み、チャットモンチーがいない世界を憂うだろう。

 

そんな事を思いながら式場に着いた。チャットモンチーのせいで、受付で祝儀袋を渡す時に「本日はおめでとうございます」を言い忘れ「よろしくお願いします。」と言いながら袱紗代わりに祝儀袋を買った時に付属していた簡易的で小さいチケット入れるやつみたいなものを祝儀袋の下に敷き渡した。受付の嬢は「失礼なちんちくりんだな」といった目付きで袱紗代わりのものまで受け取ろうとして、あ、すいません、と謝った。悪いのはチャットモンチーだ。

 

「堅苦しくなくラフなパーティ」を目指した新郎新婦の2人は間違いなく出席者をロックしていたが、前のブログにも書いた通り俺はスピーチに呼ばれていない。最初に出て来た仲介人は「新郎の20年来の友達」と名乗ったが、こっちは付き合いはそれほどとは言え、1才から幼馴染を知ってるから24年の付き合いだ。4年の差なら大学生なら社会人を目指すようになっているのだ。しかも仲介人は髪型もビシッと決まり面持ち優しいイケメンだ。髪型を久々にセットしても職場で「先輩、今日髪の毛濡れてません?」とか言われる仕上がりを披露してしまうような、まるでちんちくりん不細工にはこういうのが向いてないんだと言われてるようで、オープニングから社会の厳しさを知った。

 

室内でいくつか司会が新郎新婦に話しかけるシーンがあった。

新郎が朗らかに返してるのに対し、幼馴染である新婦は「ニホンゴワカリマセン」みたいなたどたどしさを披露しまくって会場の笑いを誘った。

HIPHOPに例えれば逆MIYACHIだ。

 

f:id:dope9328:20180603011230p:imageMIYACHI - WAKARIMASEN (PROD. MIYACHI) - YouTube

 

ブァッサと伸びたまつ毛を中心にバチっと決めたメイクにドレス、頭には日本陸上のQちゃんを連想させる草冠。どう見ても典型的日本人やん。

そういえば、チャットモンチーのHPにこんなものがあった。

 

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タイトルが読めない。

 

リンク先へ飛んだら「誕生」って書いてあって、ああ、なるほどね、って読めるか!ってツッコんだ。1人で。

新婦もそんな感じだ。

話すとバカが露呈するので、まだマシな新郎がカバー(通訳)して笑いが起きる。いないのに、学芸会で我が子がセリフを間違える気恥ずかしさってこんなんだろうな、と思った。

 

新郎新婦のお父様お母様がテーブルにご挨拶に周りに来た。

なかなか新婦に負けじと面白い人達で笑わせてくれて緊張をほぐしてくださった。お父様に耳元で「また呑みに行こうな」と言われ、即座に「はい、是非!」と言ったが、新婦のお父様と呑んだ日は一回たりともないのだ。家でお茶をご馳走してもらった時しかない。

 

あっという間に終わり、二次会。

 

二次会は、特に特筆するような事はない。二次会から来たギャル2人組がいて、絶対新婦の友人やんと思ったら、やっぱりそうだったり、

新郎が新婦の利きビンタに挑戦して成功したり。

 

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前述したチャットモンチーのMVのラストシーンだ。

「バックトゥザ・フューチャー」のデロリアンに模した車に乗り、3000年?まで向かうチャットモンチーの2人組。

 

前述した歌詞をもう一度。

 

あなたがかなりおじいさんになる頃
どんな日本なんでしょう?
ドラえもんのお気に入りの道具が
ダイソーに並んでたりするんでしょうか?
相も変わらず地震大国で
北朝鮮とアメリカの狭間で
揺れてるでしょうか?
あなたは座り慣れた椅子で
そんなニュースを見てる
だけど眠る前にはふと笑えるような
思い出に囲まれているでしょうか?

 

新郎新婦もチャットモンチーも、例え3000年になっても、ふと笑えるような思い出に囲まれて変わらず仲良くやるだろう。

幼馴染が神田うのじゃない限りは結婚式はこれで終わりだ。

 

チャットモンチーも終わる、しかし"私たちがいない"(少なくとも私たちがいない音楽界)であっても変わらず元気でやりましょう。そういったメッセージが今回と重なり、いい結婚式だった。

 

挙式も、披露宴も、二次会も、

涙腺は、すんでのところで止まった。

 

「幸せそうだったね」

 

未だに電車で一緒に列席した小学校の同級生の言葉が頭から離れない。

 

涙あり、笑いあり。その姿を見て、確かに幸せそうだった。

だからなのか親に感謝のメッセージで泣かなかった、そんな俺は何の為の幼馴染なんだろうか。

ここで泣かず、いつ泣くのか。ビビリはした。が、涙はまだ先に。

 

 

3000年で泣こう。

 

それまでは、その幸せ="快楽"はお預けだ。

 

 

 

末永く、お幸せに。

 

 

 

 

 

幼馴染、新郎、本日はおめでとうございます

6/2、幼馴染の女が結婚する。

 

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1才の保育園から中学卒業まで、クラス替えが頻繁にあるにも関わらず、ずっと同じクラスだった幼馴染だ。

 

小学校の時、図工の授業でふざけてたら先生に「お前、帰れ!」と言われ「さーせんw」とか言ってたら何故か幼馴染が近寄って来て「何で何も言わないのよ!腹立たないの?」と言われ、別に、と返すと、何故か校長にまで話を通して、俺と校長と図工の先生で話し合い、みたいな場を設けられた。

鋭い眼差しの校長、別に怒ってない俺、弁解する図工の先生。

側から見れば、かなり異質だ。

話し合いを終え教室に戻ると「どうだった?」と幼馴染。沢尻エリカより先に「別に」と言ったと思う。

 

こういう正義感が、少しだけ迷惑だった。

 

幼馴染は、友達が少なかった。

ボーイッシュで、甲高い声だからか、友達は数人しかいないと記憶している。

広く薄く友達を作る俺とは違い、狭く濃く友達を作るタイプで、友達同士で激しく衝突していた。

あまり女性とは絡みない俺にいつも話しかけてきていたが、ずっと近くにいたせいか、まるで双子の片割れみたいな気分で気恥ずかしく、話半分にして避けまくっていたので、今思うと、幼馴染に関するエピソードが死ぬほど少ない。

 

唯一中学時代であったのは、あるモテない奴が「どっちがバレンタインチョコを貰えるか、勝負しようぜ!」みたいな対決があり、モテない俺はどうしても勝ちたくて幼馴染に頭を下げてバレンタインにチョコを作ってもらった。その日貰ったのはその1つだけだった。

結局そいつもどっかで拾ってきましたみたいなチョコを1つ持って、結果はドローという、何と無様で内容の薄いエピソードしかない。

ちなみに有村架純の誕生日はバレンタイン前日の2/13だ。

こんな知識で相殺されただろうか。

 

高校に入学した当初、学校で虐められてると聞いた。

とりあえず幼馴染は俺より一本か二本早い電車なので、寝坊助の俺はタイミングが間に合えばその電車に乗り、幼馴染が降りる駅まで一緒に話を聞いてあげたりした。

後に幼馴染の母親から「あの子、本当に悩んでたの。あの時はありがとう、命の恩人よ」みたいな事を言われた。気がするが、ここら辺も記憶が朧気だ。

 

その後も幼馴染は、付き合った彼氏が家族がいるクソ野郎だったりして、かなり不運な人生を過ごしていたと風の噂で聞いた。

何故か留学しようとカナダに行った。カナダに行くんだ、がんばってな、みたいな送別会を同級生と開いていたが、普通に遅れて行って、幼馴染より、久々に会う女の子に見惚れてここら辺もエピソードがない。

 

幼馴染は馬鹿だったおかげか分からないが、英語ペラペラで彼氏を連れて日本に帰ってきた。

ボーイッシュだった髪型はハリウッド女優みたいな金髪ロングで少し胸の谷間が見えるアホみたいな服を着て。

そんなカナダかぶれの幼馴染の横にいた彼氏はイケメンの日本人だった。

そいつに初めて会ったのは、俺の家族と一緒に合流して行った花火大会と記憶してる。幼馴染から彼氏を紹介されたのはこれが初めてだ。

 

最初はそいつはムスッとしていて、何だこいつ、とか思っていた。人見知りの俺からしてこんな事思わせるなんてひょっとしてキングオブ人見知りを気取ってるんですか?えぇ??ナメないで下さいよ、こっちだってねぇ、小学校の同窓会で、当時呼び捨てしてた女の子に「さん」付けするくらいには人見知りなんだからな、とか思ってたらいつの間にか花火大会は終わり、周りのギャラリーは片付けの準備を始めていた。

一緒に来ていた兄貴が1番前を陣取っていて、その先は頼りないロープに「立ち入り禁止エリア」と紙に書いてあった。飛び散る火花を考慮してだろう。そこに花火大会で終了し、余韻で昂揚した酔っ払いグループがスタートの合図でかけっこしていた。

 

「お前、入れよ」兄貴の悪魔の一声だ。空手のプロの兄貴だから、ここで何か反論を言えばきたねえ花火扱いされると酔っ払いながら冷静に考え、0.0002秒後にはそのグループに混じって一緒にかけっこしていた。

3周目には酔いが回り視界がクラクラし、そのグループから離れ思い切り地面に吐いた。ここで分かる通り、酒にはめっぽう弱い俺だ。クソ兄貴が、とか思って暫く項垂れてたら「大丈夫か?」と声が掛かった。あ、兄貴…!?とここで腐女子が目がハートになるBL展開を望むと思うだろうが、声を掛けたのは幼馴染の彼氏だった。

 

こいつに嫌なとこは見せたくなかった。別に俺はいい、ただ幼馴染の友達がこんなんかよと思われたら幼馴染に申し訳ない、その一心で「大丈夫だから」と引き離そうとしたら「いや、気持ちは分かるで。大丈夫、ここで休憩しな。お兄さん、結構面倒いタイプなんやな」と声掛ける。

関西人なんだ、とボンヤリ思ったが、気が付いたら家だった。

不運な人生の幼馴染を救えるのは、アイツだけなんだろうなと、天井の木目に顔を投影させながら思った。

 

幼馴染は彼氏が住む大阪に住んだ。

 

何回か俺は誘われて行った。一緒にユニバーサルスタジオジャパンに行こうと言われた時、誰がいるの?と言ったら「いや、ウチと彼氏とアンタだよ」と当然のように言われた。

いや、アミューズメントパークで奇数にすんなよ、そうだ、俺は彼女がいないし、女の子を誘ってくれよ、それがいい、とか言ってたが、結局3人になった。ツラすぎる。

 

帰りに幼馴染と彼氏の家に泊まる話になり、そうだ、3人で一緒に銭湯に行こう、となった。銭湯なら男湯で2人だし良いなと思い快諾した。

しかし、何故かよく分からないが、家に帰った時、幼馴染が急にイライラして2人で行って!と言われて、結局彼氏と俺の2人で行く事になった。

 

自転車の2ケツの後ろの席でかなり気まずいなぁ、と思ってたら彼氏が「何で怒ってるんやろなぁ」と口が開いた。その後に、

「あの子にあんな感じで話せるの、羨ましいな。俺はそんな感じで話せんからな。嫉妬やで」

 

幼馴染は、俺はそこまで女と思っておらず、女の子を最大限に尊重する俺がうるせえ馬鹿とか言う女は、嫌いな女か幼馴染だけだった。

年月を経てお互いが心を許せるからこそ為せる事だし、それに嫉妬してる、と言われたのは初めてで、そこからそんな俺に嫉妬する彼氏と距離が縮まった。

 

 

幼馴染と彼氏が結婚すると言ったのは、去年の今頃。

来年結婚式を挙げる、と言った幼馴染夫婦に、その時に爆発的に流行っていたハンドスピナードン・キホーテで買ってプレゼントをしてあげた。激安の殿堂で激高のハンドスピナーに大興奮してた。

 

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ハンドスピナーを上げた理由。

後付けじゃなく、俺はそういう物事に意味を持たせる少しめんどくさいタイプだ。

 

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ハンドスピナー片手に俺をええ奴と叫ぶ彼氏。

 

 

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俺がラップしてる事も知っていて、幼馴染に動画を送り反応を伺っていたりしてる。

 

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"あの判定?の女"はまゆちゃむ。の事で、知り合いだから咎めたけど、そういった、俺の試合でdisる方向性を見失いがちな所もあるのが幼馴染の特徴だ。

馬鹿で、とっても面白い。

 

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"おけピッピ" って何語だろう。

 

こういうのを遡ってたら幼馴染が、また花火大会に来るってなって会えるよな?と言われたが、あいにく会社の勤務と被って行けなくて、でも会おう会おう、としつこく言われて、仕事の疲れも重なってたのもあって、カチンときてキツめに無理だって!と言ったらしょんぼり落ち込んでるヤツとか見つけた。

 

そんな感じで衝突したり仲良くしたりを繰り返した幼馴染は、明日幸せになる。

 

俺は幸せにならなくてもいいが、幼馴染が幸せになってくれればそれでいい。本当にそう思ってる。

 

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ちなみにだが、20年以上の関わりを持ち、彼氏とも仲が良く銭湯に2回言ったから余裕で"スピーチは俺だろう"と高を括っていたが、

一向にスピーチよろしく、と言われないので、ここに書いた。

今んところ、3250文字を超えた。

長い。

 

ご静聴頂き、ありがとうございました。

 

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