タバコの煙に無関心を謳えば
後輩にやたらと押しつけ、何も仕事してないまんま勤務を終える。いつものように喫煙所でタバコに火を点け煙を出す。
煙はまるで意思のない人間のように上に流れていく。
「意思のない人間」。
無関心な人間ほど、怖いと最近感じる。
今日の夜は仕事労い会が催される。こういう飲み会は、仕事が無ければ大体自分は向かう。
もちろん、それが義務であると感じてるからだ。出欠表なんざ無くてもみんな◯つけて当然だと思ってる。
しかし、出席率が異様に低い。
1年目の新人は7人中たったの1人、2年目、つまり自分の同期は12人中3人。
3〜5年目は10人中2人。
何なんだろうこの出席率は。期間なんて長く取ってたのに、あまりに少な過ぎる。
予め言っておくが、別に自分は強制はしてない。彼氏/彼女持ちならそちらを優先していいと思うし、友達でももちろん構わない。だが、華金で、そんなにお前ら予定あんのかと言えば、大抵そんな予定もなく帰宅してる連中ばかりだ。
もちろん上司も参加する。上司はそんなにスパルタな人はいないので、無礼講よろしく仲睦まじく話ができる常識的かつ良識ある人間たちだ。
そういう人達と話すと様々な事が分かる。人となり、性格、苦労、笑顔…顔のシワなどから一挙手一投足、手に取るように嘘か真か分かる。
呑みの楽しさというのは、そういうコミュニケーションから始まる。そこで親睦を深めて会社でも有意義に勤務を遂行する事が出来る。
それで行かない奴らは次に発する言葉が
「早く辞めたいな」
だったら早く辞めてくれ。目障りだ。お前が煙たがられる理由がなぜ分からない。
「呑み行かないと仕事煙たがられるの?」と思うかもしれないが、大体呑みで出席率が高い奴は仕事でのポテンシャルの高さが凄まじい。それを両立できる奴が社会で適応していくんだな、と傍目で見て実感出来る。
もはや「ゆとり世代」だけでは片付けられない問題だと思う。呑みの場でのバイブスの共有への意識の薄さが、仕事への意欲を削いでるのはあまりにも問題すぎる。
「この人たちを、迎えたのも私達なのにねぇ」
おばあちゃん上司もそう嘆いていた。
そう、みんな、感謝が薄れてる。この世は3億総無関心社会。活躍するのは難しいな、自民党さん。
楽しく生きる事を探してみないか?と言いたくもなる。
給料日前だから金がないかもしれない。
でも俺も金がないからそんな言い訳は通用しない。いや通用させてたまるか。馬鹿たれ。
俺だって仕事明け寝てすぐだよ。
でもああいう場で歓談できるんだから、良いんじゃないのか。
クソぉ。
タバコを吸い終えて、喫煙所を出る。
外はすっかり晴れ渡り、長袖を着てきた自分を少し恨んだ。
「3億総無関心社会」ーーーーー。
イヤだなぁとか思いながら、帰路に着いている。あと2駅で最寄駅だ。
空の箱に溜息を入れて、電車に揺られている。
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